「TSUMAMI」

「お前ら、アンプの一つや二つ持っとらんと話にならんぞ!ホンマ
に」

九州出身にも関わらず、うさん臭い大阪弁を話す男に催促され、お
とぎ話四人で、楽器屋が並ぶお茶の水の街へと足を運んだ。防音ブ
ースでたくさんのアンプを試奏する牛尾の表情は、本当に楽しそう
だったのだが、ん?、その中に、世界限定500台のブライアンメ
イ(クイーンのギタリスト)モデルのアンプが混じっているではな
いか。先日、ネットでこのアンプを見かけ、牛尾と一緒に吟味した
代物だ。

「牛尾これ!クリッククリック!」
「あっ?メイモデルだ。見た目は普通のVOXっすね。」
「これ買えばあの音出るんじゃねーか?」
「ん〜、でもこれつまみがボリュームしかないっすね。使い勝手な
 いっすよ。」

何て言ってた癖に、ちゃっかり試奏してやがる、全くかわいい後輩だ、
なんて思いながら、僕もどんな音が出るのか気になるので、防音ブー
スの中に入った。成る程、確かにこれは使えない。いくらギター本体
のボリューム、トーンを弄ろうがアンプからはあの音しか出てこない
のだもの。なんて頑固なアンプだろう。

ところで、来る2月8日、おとぎ話は千葉LOOKでライブをする。
日本が世界に誇るロックバンド、ミッシェルガンエレファントの、
全国ツアー初日はいつもその場所だった。多くのバンドマンに馴染
みのある、老舗のライブハウスである。

おとぎ話も何度かギグを行った事はあるが、今回は訳が違う。共演
者の中にミッシェルのメンバーがいるのである。レディオキャロラ
インのウエノコウジさんだ。

高校生の頃読んだ雑誌のインタビューで、ベースアンプのセッティ
ングについて質問された彼は、「つまみ?よくわかんねえから、全
部フル10だよ」という問題発言をしていた。当時僕と一緒にバン
ドをやっていた亀田が、それを真に受けて、轟音の中アンプの前に
立ち尽くし、全てのつまみを右側に回しながら、首を傾げていたの
を覚えている。

果たしてウエノさんのアンプからはどんな音が出るのか。是非今度
の機会に確かめてこようと思う。